標榜科になるには、相当数の専従医師の存在と社会的ニーズがあると認められて、医療法が改正されることが必要となる。そこで形成外科のような新参が標榜科と認められるのは、まだまだ先のこととあきらめていた矢先の話である。しかも、医師免許さえあれば誰でも名乗れる一般標榜とは違い、特殊標榜は厚生大臣の認可が必要で、いわば専門医制度を先取りした形になっている。その特殊標榜を、厚生省のほうから作りたいと言って来たのである。こんなありがたい話はないと、学会の主要なメンバーは喜んで対応しようとしたが、残念なことに挫折してしまった。まず一般会員から、専門医制度は既得権を侵害するものとして反対の声が挙がった。専門医制度は専従医師のレベルアップだけでなく、将来の権益を確保するものだという正論はかき消されてしまった。また、青医連も専門医制度には反対する。非民主的だというのが反対の理由だった。当時は「非民主的」と言えば、なんでもぶちこわすことができた。おおかたの学生が脳味噌をどこかに置き忘れ、毛沢東語録に踊らされ、紅衛兵を気取っていた時代である。
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